では、どう変えるか?
たまたまこの時、部の指導をしていた方が仕事の都合上、部を離れることになり、高校時代パーカッションをやっていた私に、部の指導をしてくれと言われました。
「よし、来た!」

いよいよ改革の始まりです。
とにかく皆ヘタクソ(笑)だったので、どう教えていくか大いに悩みましたが、逆に変な知識も無いので、叩き込むには丁度いいと思いました。
まず行なったのが、楽譜を読めるようにすることでした。そして基本的なフレーズの徹底練習。さらにはテンポに合わせ、全員で一つの音にする練習。これはブラスバンドでやっていた事で、太鼓は使わず、タイヤや板を叩きます。そうすることによって、反響がなくなり、ジャストの音しか聞こえないので、ズレればすぐ判るのです。テンポ通りに叩き、皆が一つの音にならないと気持ちが悪いという事を、教えたかったのです。さらに、他の人の音を聴く練習にもなりますし、音楽をする上では必要不可欠な事も知って欲しかったのです。
さらに、簡単な4小説位のフレーズを作り、速暗記の練習。これは私が小学生の頃にやっていたもので、遊び半分で行いました。覚えたらまず一人で叩きます。次は2人一組にし、2拍ずつ交互に叩かせたり、3拍にしたりします。でも、分割すると途端にたたけなくなる組も、もちろんありました。これは、ただ4小節を覚えるのではなく、1拍があるから、1小節があり4小節があると言うことを、伝えたかったのです。
耳コピーの練習もさせました。私が前で簡単なフレーズを叩き、それを3回で聞き取り楽譜にする稽古です。
あと、自衛太鼓の最大特徴でもある【振り】の稽古です。バチを斜めに出したり、前に出したり、手を交差させて叩いたりと、なにかと多い【振り】。これの稽古方法は、太鼓を横に一列に並べ、皆構えてバチを斜めに出します。そこで基準の位置を決めてロープを端から端まで張り、それに合わせる様にさせました。

ババっと書きましたが、もちろんどれもスンナリ行きません。それでも根気強く教え、また毎日仕事終わってから集合させてやらせました。
「絶対、あっと言わせたい!他には負けたくない!」
この私の勝手な思いが、徐々にですが浸透していくのが判りました。

1年目に種を撒き、2年目に水をやり、3年目に大輪の花を咲かせる・・・。現楽天の野村監督の言葉(だったハズ・・・。間違ってたらすみません!)の様にいくか判りませんが、この部が確実に何かが変わろうとしていました。