「なんかやり始めたら、取り敢えず10年やな」
父がよく言ってる言葉。一つの物事に対して取り組み、それが良いか悪いか別として、どうなるかは、まず10年はかかるという事だ。

太鼓衆一気を結成したのが9年前。来年でちょうど節目の10年だ。
18歳の時、高校を卒業と同時に自衛隊に入隊。
一般に言う『安定』の国家公務員。『安心』の給料、ボーナスが出る職業。
しかし、24歳の時にそんなものを全て捨てて、外に飛び出した。太鼓をやる為だ。
周りの人の反対もあった。「太鼓なんかで食べて行けるん?」「どうやって生活するん?」「自衛隊やりながらでも、いいんちゃう?」
しかし、そんなものはどうでもよかった。大体考えた所で、先の事等判る訳が無い。来年の今、どうしてるとか判る訳が無い。つまり死んだらどうなるの?と考えているのと同じだ。考えるだけ無駄。そうならないと判らない。例えば今、原発が爆発したら終わりなのだから・・・。とにかく『今』を一生懸命生きる事に決めた。金なんて、生活なんて二の次。まず太鼓をやりたかったのだ。
 太鼓衆一気結成が24歳。朝5時から夜中の2時まで、バイト掛け持ち3つで、週5日。太鼓を買う為の資金作りだ。ハードだったが全然平気だった。何をしてても太鼓の事しか考えていなかったから。週末はタイヤとか叩いたり、他団体の太鼓を借りて稽古。それから太鼓を買い、路上ライブを初め、ライブハウスに出たり、海外にも行ける様になった。すべて行き当たりばったりだ。
「仕事の依頼が来たら、とにかく承諾する。それから考えたらええ。」
その言葉通り、ウクライナツアーの話が来たときも、もちろん了承したが、この時は傑作だった。
なんせ曲が3曲しかない。コンサート等した事がない。太鼓も衣装も数がない!挙げ句の果てには、向こうの情勢が不安定だから、いつからか判らない!
そんなぐちゃぐちゃでも、やり遂げた。もちろん何もかもが判らないから不安もあったが、なによりオモロかった。
ソロでもコラボしたりした。アメリカ行ったり、ルーマニアに行ったり、チェコやオーストリアも廻った。
メンバーも大幅に変わった。結成当初のメンバー等いない。みんな長く続いて2年くらい。もちろん私のせいだが、とにかく沢山の人が太鼓衆一気に関わり、去って行った。
そんなこんなで、9年。何度も立ち止まったが・・・。
来年は10周年コンサートか、と考えていた時、ついに違う形で動き始めた。

つい先日、国内外で数々のイベント実績を持つ会社と、タッグを組む事が出来たのだ!
ロンドンにも会社をもっており、ヨーロッパ・アメリカ進出を目指す事で一致した。
もちろん、どうなるか判らない。全てが上手く行くとは限らない。
でも、そんなものはやってみないと判らない。
でも、確実に、今までより前進できた。
ヨーロッパ公演が仕事という事が現実になれば、メンバー募集もしなくてはならない。そうなると、「太鼓で食べて行きたい!」という人はいるので、少しは集まるだろう。そこから振り分けて、選抜して欧米に乗り込む。

結成して来年で10年。拠点も大阪から東京、埼玉へと変わった。その地域にこだわる事は考えていない。太鼓が1番出来る環境なら、どこでも良い。
結成して来年で10年。太鼓第一で、先の事を考えないで突っ走って来た。生活第一なら、ここまで出来なかっただろうと思う。
結成して来年で10年。結局まだまだダメという事が判った。

結成して来年で10年。ちょうど節目のこの時期に、新たな出会いと共に、別の角度に動き始めた。
これからも、とにかく動く。とにかく何でもやる。とにかくガンガン行く。
ついて来たい奴は、ついて来い!