今日は時間があったので、父が開いているセミナーに参加しました。
あるセクションで、二人ペアになり、1人がミットを自分の胸前で持ち、もう1人は、片方の手を上からそのミットへ落とすという動きを行いました。
言葉にすると判りにくいですが、簡単に言えば太鼓を叩く動作です。腕を上げて、丁度太鼓の所にミットがあり、そこへ目掛けて下ろす。
この【下ろす】ですが、正式に言うと【落とす】になります。
「上から落とす」ですが、そこには肘と胸骨のリンクは不可欠です。膝のゆるみも大事です。
試しに、力でミットを叩きましたが、相手はびくともしません。目一杯上から振り下ろしてもです。「バチーン」という、さも効果があった様な音はしますが、ミットもそれを持っている相手も変化無し。
そして、「落とす」です。肘と胸骨が上に上がり、そこから肘が落ちると同時に胸骨も後ろへ。「ドン」というさっきとは違う重い音と同時に、相手とミットはそのまま地面へ崩れ落ちました。
別に相手を倒す事が目的ではありませんが、これがよい実験になったのは言うまでもありません。
私は太鼓奏者ですので、太鼓の音を鳴らすには後者なのです。
しかし、当たり前ですが動きの理屈が判ったとしても、すぐ出来るわけがありません。
私は小さい頃からこういう動きを習っていたので、なんとなく胸骨を動かしたり、肘を動かせたり出来ますが、初めての人や、やり始めて数年の人には、かなり難しい動作になります。5年、10年はかかるのではないでしょうか。
なぜ難しいのか?
もちろん動きは難しいです。しかしそれ以前に例えば上記の場合だと、ミットを叩いてしまうんです。みんな。
何か特定の物を前にすると、それをどうしたろうとか、倒したろうとか、そんな邪念?が働いてしまって、結局違う事になっている感じがします。
太鼓も同じです。私はいつも「太鼓を叩くな!」と言います。みんな「???」ですが、太鼓を叩いては音は鳴らないのです。鳴っているのは皮であって、太鼓では無いんです。決して「叩いて」はダメなのです。
全国の太鼓奏者で、この動きをやっているのは、残念ながら私だけです。有名な団体やソロの方を色々みましたが、みなさんテクニックや難しいフレーズや、早叩きや、何らかの動作が出来るだけで、太鼓の音を鳴らしてる人は1人もいてない状況です。
もちろん、これが悪いとは言っていません。ただ「太鼓の音が鳴っていない」というだけですので、私は改めて「太鼓の音が鳴らせる」奏者になろうと決意した一日でした。