今日は朝から夕方まで稽古。その後はマンツーマンでレッスンでした。
このレッスンのお話です。(ちょっと長いです)

超初心者という女性の方で、現在他の教室に通ってらっしゃるのですが、たまたま私のホームページを見て「レッスン受けさせて下さい」との依頼でした。
スタジオに着いて色々話をし、太鼓に触れてまだ2回という事を聞き、まずその教室でどういう事をやってるのか訪ねると、「やりましょうか?」といきなり強気発言(笑)
「おお!この人何者や?」とちょっと驚き・・・。
一応「初心者ですよね?」と再確認すると「はい!今日で3回目で~す!」と元気な答え。
どうやらその教室で簡単な曲をやったそうなのですが、1回で覚えたとの事。
「ふ~ん」と思いながら、披露してもらいました。
所謂「盆打ち」というやつでした。キネ打ちを多様したお祭り風リズムでしたが・・・、驚いたのはその完成度でした!かなりサマになっているので思わず、「ええ?初心者ですよね??」再々確認!「はい!今日で3回目で~す!」とまたしても元気な同じ答え。
とにかく今日は体験版なので、手始めに私がどこでもやっているリズムからスタート。彼女・・・なんなくこなす。
「難しいですか?」「いえ。」
ほほう・・・、私の中で太鼓魂!?が燃えてきました(笑)
「では、少しレベル上げますね」
・・・これもすぐ出来る。私・・・少し驚き。
「では、これにもう一つリズムを加えます。3連符です」
初心者にはなかなかリズムの取りにくい3連を入れて、再びスタート。
・・・すぐ出来る。
「おお・・・凄い!どうですか?」「まだ大丈夫です」
ほほう・・・なかなか言いよるな、このね~ちゃん。
しかしこの時から、ある確信が持てたのです。このタイプ、どこかで・・・。
それを確かめる為に、体験版を止め、オリジナル版に変更。早速16分のアクセント変えを伝授。初心者にはまず行わない内容ですが、どうなるか実験してみました。
結果・・・1回で会得!
「おお!凄いやん!!」と驚く私に「やった~!」とはしゃぐ彼女。
その後も、さらに難しいリズムをレクチャーしたのですが、全て出来たのです。
「楽しいですね!」と彼女。
うむむ・・・こいつは・・・凄い。凄いけど・・・。
先ほどの確信は決定的になりました。
最後に、3連や16分のギアシフトを盛り込んだ、ちょっと難易度の高い楽譜を書き、まず1回やる事に。・・・無難にこなす。
これだけでも凄いのですが、最後は全部1人で通せたのです!喜ぶ彼女!
「いや~凄い!初心者でここまで叩けた人は、私の太鼓人生で初めて見ました。」
「ほんとですか!?」
「はい。実はあなたとよく似たタイプの人を知ってるんです。私の元メンバーなんですけどね。私はそいつの事を天才と思っていましたが、あなたも同じタイプなんですよ。」
「え?天才って事ですか?」
「違います(笑)」
この確信を持てたというのは、私の日記にたびたび登場する元メンバー、ダイスケと彼女は同じタイプだったという事だったんです。
つまり「器用な人」なんです。何でも無難にこなす。すぐ覚える。ダイスケもこのタイプです。通常30分かかるところを5分で出来てしまう位、吸収力が早いんです。私が1度やれば、次はもう叩ける。フォームにしても少し注意すれば、ある程度形になる。覚えてと言えば、すぐ覚える。私も楽譜を覚えるスピードに関しては自信がありますが、ダイスケや彼女と勝負したら勝てるかどうか・・・。それ位何でも器用なんです。
でも、このタイプ欠点があります。それは伸び率が極端に低い事。
つまり1回完結型・短期決戦の勝負なら、このタイプが勝つでしょう。しかし長期戦になると、後からジワジワ来る人に抜かれる。その事を彼女に聞くと「そうなんです」との答え。「最初は私が1番に出来るんです。何でも。でもいつの間にか他の人に抜かれているんです。」
やはり的中です。
このタイプは最初に出来てしまうので、あまり追求しない傾向があるみたいです。
出来るが故に、です。
出来てしまうから、次の提示をするまで待ってしまいます。その間、他がジワジワ足下を固めながら着実に伸びてきて、最後にはひっくり返される可能性が高いタイプなんです。
しかし、ダイスケ以外にここまですんなり叩ける人を見たのは初めてだったので、指導してる側なのにかなり楽しめたレッスンでした!