物心ついた時から社会人になるまで、父が嫌いでした。

でも、暴力されたとかではありません。


怖かった。だから嫌い。


それだけです。



僕が小さい頃は祖母の家で育った記憶があり、しょっちゅう母が来てくれて、たまーに父が来た、という感じでした。


そんなたまに会う父は、どこか不機嫌そうに見えたんです。

祖母の家は物に溢れていて、とても狭く人がやっと通れるスペースしかない感じでした。

「物捨てろや」
「こんなんいらんやろ」

祖母に話す父はとても怖くて、目も合わせられませんでした。


そのせいか、幼稚園の時はあまり遊んでもらった記憶はありません。
実際は知りませんが…。




小学校に入ると、父の行なっている古武道をやらされました。
これは中学か高校までずーっと。

古武道とはなんぞや?
という所は省略します。
もし良ければ父のサイトをご覧になって下さい。


しかも、父のお弟子さん?達と一緒にやらされる訳です。
みんな大人です。
突きとか蹴りとかもちろん、木刀使ったりもしてました。



怖いですよ。父とか関係なく(笑)


その時、父が怒るんです

「逃げるな!」
「逃げるから当たるんやろが!」
「相手の目を見ろ!」


泣きながらビビりながらやらされた記憶があります。



なんで他の同級生はこんなことやって無いのに、僕はしなくちゃいけないの?

なんでみんながテレビを見てるだろう時間にやらなくてはならないの?


古武道だけではありません。


そろばんや絵を描く、記憶法、速読法、超能力的な事、音楽…その他色々やらされました。



やりたくないのに、やらなきゃ怒られる。

だからやっていた。


怖いから。



だから、こんな家で育ったのは不幸だと思った時期もありました。


友達も寄り付きません。
得体の知れない人の家になんか行きたくないでしょう。


その時の話を友人と会うとよく聞かされます。
「日野の家に遊びに行ったらや、絵をかかされたやんな!」
「なんか回し蹴りとかやらされたで(笑)」

みたいな(笑)





父は仕事で家にあまりいませんでしたので、そんな時はお弟子さんと一緒に過ごしてました。



この点でも他の家とはちょっと違った環境ですよね。



父がいない時は嬉しかったのを覚えてます。



だって怒られなくて済むから!

もちろん怒られてるだけではないですよ?
でも、その印象が圧倒的に強いので、それしか覚えてないんです。

いや、他にも原因がありますが、ハッキリ言って小学校〜高校までの記憶は殆どありません。



多分心の何処か奥底に閉まってるんだと思います。
その箱は開けたくない!





父はよく外出先から電話をかけてきました。

何を話したか覚えてません。

怒られると思ったから、嫌々話したんだと思います。




反抗期ってありますよね?

僕は父に反抗出来ませんでした。

怖いから。

本当に怖いんです。
反抗なんかしたら殺されるんじゃないかと思うくらい!





いつか忘れましたが、父だったか母だったかこんな事を言われたのを鮮明に覚えてます。

「一輝、ええか。高校卒業したら外に出るんやで。外は色々あって楽しいで。色んな世界があるんやで。こんな所に居てたらあかんで」


こんな家になんて居たくない。
1秒も早く家を出たい。


それ聞いて強く思ってました。






高校に入り、かなり距離のある学校にバスで通うようになりました。

クラブにも入り、家にいる時間が激減。

土日も家に居たくないし、父の顔も見たくないので速攻で遊びに行ってました。


それでも家に帰ると父がいるので、自室に籠る時間が増えて行きました。

外に出る日をずっと夢みてた期間です。








そして18歳の春、高校を卒業し自衛隊に入隊する日が来ました。

駅まで送ってくれて、僕は大きな荷物を持って出て行きました。


その時の嬉しさ!

もうプラットホームでガッツポーズですよ!


もう家にいなくて良い。
もう顔を見なくて良い。
もう武道しなくていい!


様々な事からへの脱出。

歓喜です(笑)




こうして、大嫌いな父から離れる事が出来ました。







続く