関西大会


昨年は内部崩壊&緊張しすぎて演奏どころではなかったけど、今年は違う。

「絶対勝つ!」



今回の会場は神戸。
朝、まだ入り時間まで少しあったので、モザイクガーデンへ。

ショッピングではなくて、床のタイルをポイントと見立てて、楽器は持たず自分のパートを歌いながらフォーメーションの最終確認。


なんか足がフワフワする。
めちゃくちゃ緊張してる!
(全員緊張してた)

あっという間に時間が経ち、
「じゃあ行こか」と顧問。



去年より大きい体育館。そして沢山の一般客。
(各学校の関係者や、有名学校のファンもいてるそうです。)


常連校も見つけた!

仲の良い同級生S君と「今年は俺らが勝つで」と、すごーい遠いところから睨みを効かせ、指定された席へ。


中では大会が始まり、次々と各県代表が演じる。
「みんな上手いなあー、流石やなあ」
と何故か強がりの上から目線(笑)


そうこうしてると、同じ県下から代表枠に選出された学校の出番だった。
「〇〇!ファイトーーー!!!」
部員全員で声援を送る。




時間となり、リハーサル室へ。
ここで最後の練習になる。


みんな各々最終調整。


「集合!」


いよいよだ。みんなの顔は緊張しまくってる。
1年生は口が震えてる。
そらそうだ。こんな大舞台初めてだから。



コーチが、
「一輝、セッティング出来たら、いくぞ!って思いっきり叫べ。みんなは、おー!って腹の底から叫んでみろ!」


これは日本一の高校の本番前の儀式だ。
その高校は必ず演技前に掛け声を出す。
会場に響き渡る叫びにビデオ越しでも迫力は十分伝わって来るほど。


「わかったか?」
「はい!!」



「〜次は、〇〇高校の皆さんです〜」

さあ出番だ!
アナウンスが入り、僕たちはダッシュで中へ。



大きな拍手が起こる。
めちゃくちゃ人がいる。
足がすくむ。
手が震える。
歩いてる感覚が無い。



「〇〇高校ファイトー!」
県のライバル校からの声援だ。


「〇〇いけー!!」
OBも来てくれてる。



もう行くしかない!











「いくぞ!!」



「おーーーー!!!」




遂に始まった!

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僕が編曲した『オペラ座の怪人』は2部構成で、まずオープニングはユーフォニウム2人のソリから始まる。
そこから軽快な曲調に代わりトランペットソロへ。
メインテーマが流れて、ドラムソロ。

そして後半はトロンボーンとホルンのソリ&ダンスソロからクライマックスへ


パートリーダー全員分のソロを作った構成は、その都度拍手が沸き起こる。


いつもより良い感じ。
緊張が力を増してくれると聞いたことあるけど、それは本当にそうだなと実感した。


アップテンポの移動。
絡み合ったフォーメーション。



多分、多分過去最高だった!



とてつもなく長く感じた7分間。



そして遂に終わりを迎えた。




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※敬礼の右手を収めるのが早すぎたか!(笑)




めちゃくちゃ拍手が大きかった。


とにかく終わった!
やり切った!

もうどーなっても良い(笑)



会場の外に出ると、みんな笑顔!!
終わった安堵、緊張の糸が切れて泣き出す部員も。
「一輝、出し切ったぞ!!」
「さすがや!」
同級生と抱き合う。


コーチが「めちゃくちゃ良かった!!お前ら最高や!!」と叫ぶ。
歓声が上がる!



でも、まだ終わってない!!

表彰式が待ってる。



再び席に戻り、優勝候補の演奏を見る。

(もしかしたら…勝てる?←なんとなく)






【表彰式】


フロアに並ぶのは、各チーム2名。
僕と副部長が並んだ。
他の部員は客席で固唾を飲んで見守ってくれてる。


まず各学校ごと、ゴールドかシルバーを表彰され、ゴールドの中の上位2チームが全国大会にいける。



「それでは表彰に参ります。


△△高校   ゴールド(金賞)」


歓声が上がる!

このように、一校一校表彰されては、歓声や悲鳴に変わる会場。








「No.〇〇番 〇〇高校」

ついに出番がきた!

まず最低でもゴールドを取らなければ、代表枠にも入れない!















「ゴールド」

きたーーーーーー!!!


やった!!
第一関門突破だ!!

会場が異様に湧き上がる。完全にノーマークの学校だったからだろう。

客席の部員が大騒ぎしてる!

これだけでも奇跡だけど、もしかすると・・・。



隣の副部長と顔をみあわせる。
(いけるかもしれん!!)



優勝候補校は当然全てゴールドだった。


これで縛られた!

出場校20校のうち、ゴールドは優勝候補5校とその他2校、そして僕たちの合計8校。

8校の中で全国に行けるのは2校!




「続いて関西代表に選ばれた学校は…」










「A高校」

「ワーーーーー!!!」
優勝候補だ。ここは当然来ると思っていたけど、会場はお祭り騒ぎだ。




「続きまして、もう一校」


これで決まる。





来てくれ!





来てくれ!!






・・・








「B高校」
「キャーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
会場が歓声で大爆発した!

同じく優勝候補だ。






「ああ…」

思わず声に出してしまった。




・・・負けた。



勝てなかった。







副部長は俯いたまま動かず。


このとき不思議と涙は出ませんでした。
やり切った感と脱力感がすごくて…

それより・・・
あれだけ豪語していたのに勝てなかったので、部員にどう顔を合わせたら良いのか。

「ほら、勝てなかったじゃないですか」
「やっぱり無理だったんですよ」

そう言われるのを覚悟して、表彰式終了後部員と合流。



「ごめん、負けた」


幸いなことに誰1人文句を口には出さない。
でも視線が怖くて顔を上げれない。
コーチが「いやあ、全国行けたと思ったけどなあ」
と慰めの言葉。





しかし、ここで胸を張れる出来事が起こったんです。

帰りのバスに乗り込む前に、審査員から評価表?を貰いました。


そこには、演奏演技の批評や順位が書かれているのですが、





なんと!!!




3位!!




だったんです。


何度も何度も読み返しました。
途中から何が書いてあるか、文字が滲んで読めません。


県大会突破なんて夢のまた夢だった我が校は、
県で圧勝し、
関西の優勝候補5校の牙城を崩し、
あと一歩で全国という手前まで上り詰めたんです!


僕の中で何か切れたのか、号泣してしまいました。←また泣いてる
めっちゃ泣いた、アホみたいに泣いた(笑)

悔しいというより、嬉し涙だったと思います。

めちゃくちゃ苦しかったけど、みんなでやれば出来るんや、ということが証明された瞬間でした。


状況を知らない部員は「一輝どうした?」「部長!」「一輝先輩!!?」
と次々に声をかけてくる。




バスの中で思いっきり叫んだ。




「みんな、ありがとう!!!」







続く




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